『母性看護学実習を乗り越えるコツを知りたい!』
今回はこちらのお悩みを解決する種をお届けします。
母性看護学実習は、助産師・看護師を目指す学生にとって大きな山場のひとつです。他の領域とは異なり、「ウェルネス」の視点で母子をアセスメントすることが求められます。対象が母児となるため、観察や記録も2倍の負担に感じることが多いのも特徴です。
この記事では、現役助産師の視点から、母性看護学実習を効率的に乗り越えるための具体的なポイントを紹介します。
母性看護学実習の特徴
母性看護学実習は、妊娠期から産褥期、さらには新生児のケアまで幅広い対象を扱います。疾患を中心に学ぶ他領域と異なり、健康な母児を対象にすることが多いため、「健康を支える看護」が重視されます。
- 妊娠や出産による進行性の変化
- 産褥期や新生児の退行性の変化
これらの経時的な変化を理解し、ケアに活かすことが重要です。
実習を効率的に進める3つのコツ
1. 情報収集は「進行性・退行性変化」を意識して
分娩期の分娩徴候・内診所見や産後の子宮底・悪露・乳汁分泌の変化、新生児の哺乳量・排泄状況・黄疸所見など、母児の経時的な変化を捉える知識が必要です。
事前に母性領域の最低限必要な知識をメモ帳にまとめておくか要点集をポケットに携帯しておくと安心です。
2. アセスメントは参考書や事例集を活用
アセスメントは母性看護学実習で最も時間がかかる部分です。効率的に進めるために、参考書を積極的に活用しましょう。
下記の参考書は事例を用いて情報収集に必要な項目、アセスメントの記入例も記載されているため、おすすめ。
- 実際に自分が担当する症例に近い事例を探す
- 記入例を参考にしながら、自分の症例に当てはめる
ゼロから考えるのではなく、参考書をベースに自分なりの視点を追加すると時間短縮につながります。
この参考書のおかげで母性実習の期間も十分に睡眠時間を確保することができました。
3. ケアの立案は「退院後の生活」をイメージして
母性看護では退院してからの生活を見据えたケアが欠かせません。
- 初めての育児で不安が大きい母親へのセルフケア指導
- 退院後も安心できる授乳・育児支援の提案
- 家族全体を視野に入れた個別性のある支援
こうした視点を持つことで、母性看護の本質である「家族単位の健康支援」が実践できます。
産後は特に自分の身体、子ども、これからの家族のことなど多くの悩みを抱く時期。対象者の悩みにアプローチすることが個別的なケアを立案する鍵になります。
まとめ:ウェルネスの視点を忘れずに
母性看護学実習で大切なのは、疾患にとらわれすぎず、「母児と家族がより良い生活を送るために何が必要か」を考え続けることです。
- 経時的な変化を捉える観察力
- 効率的なアセスメントの工夫
- 退院後を見据えたケアの立案
これらを意識することで、母性看護学実習をより実りあるものにできます。
母性看護学実習は大変ですが、看護の根本となる人を看る力が養える領域です。
この記事が、あなたの実習を前向きに進めるたの一助となれば幸いです。🐏🌻

