地元に残るか、東京に出るかー2年間東京で暮らしてみて思うこと

助産学生

地元で就職するか、それとも地元を離れて東京へ出るか。

学生の頃、私はこの選択にかなり悩みました。

大学までずっと地元で暮らしていて、卒業後もそのまま地元の病院で働くつもりでした。

家族もいる。友人もいる。大好きな場所もある。

わざわざそこを離れてまで、東京に行く必要があるのかな。

そんな気持ちもありました。

それでも今、私は東京で2年間働き、暮らしています。

そして来年の春、また地元に戻ることを決めました。

東京に来たことを後悔しているかと聞かれたら、私は「していない」と答えます。

でも同時に、東京に出たことで失った未来もあったのだと思います。

今日は、2年間東京で生活してみて感じたことを、地元に残るか、都会に出るか迷っている人に向けて書いてみようと思います。

そもそも、なぜ東京に出たのか

大学の合同就職説明会に参加したとき、今勤めている病院の説明を聞きました。

それまで、東京で働くことなんてほとんど考えていませんでした。

でも、説明を聞いた瞬間、

「ここで働いてみたい」

と思った。

いわゆる、直感だったのだと思います。

もちろん、すぐに決められたわけではありません。

家族と離れること。

当時付き合っていた彼氏との将来。

地元を離れることで、自分が大切にしてきたものを失ってしまうのではないかという不安。

いろいろなことを考えました。

そんなとき、地元で助産院を開業している方から言われた言葉があります。

「悩んだら、大変な方に行ってみな。」

その言葉に背中を押されて、私は東京に出ることを決めました。

今振り返ると、あのときの私は「東京に行きたい」というより、

「一度、自分の知らない世界に飛び込んでみたい」

と思っていたのかもしれません。

東京に出てよかったと思うこと

1.幅広い人と出会えた

東京に来て最初に驚いたことの一つが、人との出会いの幅でした。

私の職場の同期も、全国各地から集まっていました。

育ってきた地域も違えば、家族構成も、学生時代の過ごし方も、価値観も違う。

同じ仕事をしていても、

「そんな考え方があるんだ」

と思うことがたくさんありました。

地元にいたら出会わなかったかもしれない人たちと、一緒に働き、悩み、笑った。

特に同期との出会いは、この2年間で得た大きな財産の一つです。

「自分の普通」が、誰かにとっての普通ではない。

そんな当たり前のことを、頭ではなく、人との関わりを通して実感できたことは大きかったと思います。

2.自分で自分を整える習慣ができた

東京に来て、一人暮らしを始めました。

家族と完全に離れて生活するのは初めてでした。

体調が悪くても、自分でどうにかする。

疲れていても、ご飯を食べる。

部屋を片付ける。

お金を管理する。

休むことを決める。

誰かが自分のことを整えてくれる環境から、自分で自分を整える環境になりました。

もちろん、同期や友人に助けてもらったこともたくさんあります。

でも、「自分の人生を自分で面倒を見る」という感覚は、東京で生活した2年間でかなり身についたと思います。

3.地元にいたら、たぶんやらなかったことに挑戦できた

東京は、とにかく「やってみたい」と思ったことにアクセスしやすい場所でした。

一人旅をしてみたり、一人でライブに行ってみたり、個展に行ってみたり。

興味のある場所へ行ってみたり。

「誰かと一緒じゃないとできない」と思っていたことも、意外と一人でできるようになりました。

選択肢が多いからこそ、自分から動けばいろいろな経験ができる。

これは都会に出る大きな魅力の一つだと思います。

4.離れたからこそ、地元の魅力が分かった

私はもともと地元が大好きでした。

そして東京に来て、その気持ちはむしろ強くなりました。

月に一度くらいのペースで帰省してしまうほどです。

東京に出たことで、

「私は自然が好きなんだ」

「家族と過ごす時間が好きなんだ」

「この土地の空気が好きなんだ」

「私はこういう生活を大切にしたいんだ」

と気づくことが増えました。

ずっとそこにいると、当たり前すぎて気づけないものがあります。

一度離れてみたからこそ、自分が本当に大切にしているものが見えるようになりました。

そして、家族への感謝も以前より強くなったと思います。

一方で、東京に出て辛かったこと

もちろん、良いことばかりではありませんでした。

むしろ、1年目はかなり苦しかったです。

1.孤独が辛かった

私にとって一番大きかったのは、孤独でした。

私はもともと、人と話すことでストレスを発散するタイプです。

でも、仕事がうまくできない。

家に帰る。

一人になる。

今日できなかったことを思い出す。

また明日仕事に行く。

そんな毎日を繰り返しているうちに、自分への自信がどんどん失われていきました。

さらに、家族や友人と休みが合わない。

家族の行事に参加できない。

「会いたい」と思っても、すぐには会えない。

地元にいたら当たり前だったことが、当たり前ではなくなりました。

人がたくさんいる東京で、一人でいることの孤独を感じることもありました。

都会に出れば、孤独がなくなるわけではありません。

むしろ、自分から人とつながりにいく必要がある。

これは私が2年間で強く感じたことです。

2.学生の頃に思い描いていた未来が変わった

これは完全に私自身の話ですが、東京に出たことで、学生の頃に思い描いていた未来は大きく変わりました。

当時考えていた「こういう人生になるんだろうな」という未来が、少しずつ崩れていきました。

でも、今はそれを悪いことだとは思っていません。

人生は、環境が変われば考え方も変わる。

実際に経験してみなければ分からないこともある。

だから、予定していた未来から外れることは、必ずしも失敗ではないのだと思います。

3.お金は、使おうと思えばいくらでも使える

東京は、選択肢が多い分、お金を使う機会も多いです。

行きたい場所に行ける。

食べたいものを食べられる。

イベントにも参加できる。

買い物もできる。

これはメリットでもありますが、自分で制限をかけなければ、いくらでもお金を使えてしまいます。

都会に出るなら、自由と一緒に「自分で管理する力」も必要なのだと思います。

それでも、東京に出た2年間は私の財産になった

来年から、私は地元に戻ります。

東京での生活を終えることになります。

正直に言えば、去年は心の底から辛いと思った時期もありました。

「なんで東京に来たんだろう」と思ったこともあります。

それでも今振り返ると、この2年間は私の人生の中でも、とても濃い2年間だったと思います。

人に出会った。

仕事で悩んだ。

一人で泣いた。

知らない場所に行った。

一人でいろいろなことをやってみた。

自分が何を大切にしているのかを考えた。

そして、地元に戻りたいと思う自分にも気づいた。

東京に出たことで、自分の生き方や価値観は大きく変わりました。

だから私は、東京に出たことを「地元を離れてしまった2年間」ではなく、

「自分の世界を広げるための2年間だった」

と思っています。

もちろん、東京に出たことで失った未来もあると思います。

地元に残っていたら、違う人と出会って、違う仕事をして、違う人生になっていたかもしれない。

それはもう、知ることができません。

でも、人生にはそういう「選ばなかった未来」が必ずあるのだと思います。

地元か、東京か。正解はきっとない

地元に残ることにも、都会に出ることにも、それぞれの良さと大変さがあります。

地元に残れば、家族や友人との距離が近い。

慣れ親しんだ環境で、自分らしく生活できる。

一方で、都会に出れば、今まで出会わなかった人や価値観に出会える。

やってみたいことに挑戦しやすい。

どちらにも、メリットとデメリットがあります。

だから私は、

「東京に行った方が成長できる」

とも、

「地元に残った方が幸せ」

とも思いません。

大切なのは、

自分が納得して選んだかどうか。

なのだと思います。

自分で選んだ道なら、途中で後悔することがあっても、その後悔を自分の人生として受け止められる。

「こっちを選んだから、今の私がいる」

と思える日がきっと来る。

そして、人生は一度選んだら終わりではありません。

一度地元を出ても、戻れる。

地元に残っても、あとから外に出られる。

東京に出ても、また別の場所に行ける。

人生は思っているより、ずっと自由なのだと思います。

だからもし今、

「地元に残るか、東京に出るか」

と迷っている人がいたら。

「どちらが正解か」ではなく、

「今の自分は、どんな経験をしてみたいのか」

を考えてみてほしい。

家族が大切なら、その気持ちも大切にしていい。

挑戦してみたいなら、その気持ちも大切にしていい。

怖いなら、怖いまま行ってみてもいい。

残ることも、出ることも、どちらも人生の選択です。

私自身、2年前に東京へ出ることを決めた自分に、

「行ってみてよかったよ」

と今なら言えます。

そして来年、地元に戻る自分にも、

「戻ってみようと思えるくらい、自分の大切なものが分かったんだね」

と言ってあげたい。

地元に残るか、東京に出るか。

その答えは、きっと自分の中にしかありません。

でも、どちらを選んでも、人生はそこからまた続いていく。

いつでも戻れるし、いつでも行ける。

だから、少しだけ自分の心に耳を澄ませてみてください。

あなたが今、本当に行ってみたいと思う場所はどこですか?

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